野菜の臭いが苦手な方って結構いますよね。
今回はキャベツの臭いについて調べてみました。
キャベツの場合は、「青臭い」という表現が使われることが多いですよね。
このニオイのせいで、いかにも草を食べているといった気分になり、結果、キャベツが嫌い!…という話になってしまうようです。
しかし、実は、「青臭い」程度なら、まだキャベツのニオイとしてはマシな方だということをご存じでしたか?
キャベツは、「青臭い」どころか、もっと露骨に「臭い」ことが、実際にあるのです。
それも、「雑巾臭い」「カビ臭い」「薬品臭い」「ガス臭い」…
臭いキャベツ経験者によれば、これほど強烈に臭いとのこと。まがりなりにも、食べ物がこれでは困りますね。食欲そのものもそがれてしまいます。
そこで今回は、このキャベツの臭みの原因が何かについて調べてみました。合わせて、このようなキャベツのニオイを取る方法も紹介しますね。
キャベツが臭い原因は3つ
キャベツが臭い原因には、以下のようなものがあげられます。
- アブラナ科野菜特有の原因
- キャベツが育った土壌が原因
- キャベツの品種が原因
それでは、1つずつ詳しく見てみましょう。
アブラナ科野菜特有の原因
キャベツは「アブラナ科」に属する野菜。クレソンや大根と同じ仲間です。
へぇー、そうなんだ?!
キャベツには、「イソチオシアネート」というアブラナ科の野菜に特有の辛味成分が含まれています。
辛味成分なので、カラシ油と言われたりもします。
イソチオシアネートそのものには臭みはありませんが、時間が経つと空気中の酸素と反応して分解し「ジメチルスルフィド」という成分に変化します。
キャベツの臭みの原因は、このジメチルスルフィドです。
ジメチルスルフィドは、なんと「悪臭成分」とまで呼ばれる悪名高いニオイ成分なのです。
そのニオイとは…
- 薬品臭い
- 雑巾臭い
- キャベツの腐ったニオイ
- タクアン臭い
- ガス臭い
- 汐臭い
- 口臭
などなど…、散々な言われようです(泣)。
この成分を持つキャベツが臭いと感じられるのは、当たり前ですよね。
なお、ジメチルスルフィドは、過剰摂取しない限り、人体への悪影響はないそうですよ。
ジメチルスルフィドは、都市ガスのにおい付けにも活用されています。
ガスそのものは、何のニオイもしない物質です。しかし、それでは、ガス漏れが発生していても誰も気づくことが出来ず、着火して爆発を起こす可能性があります。
このため、ガス漏れを早期に発見できるよう、わざと悪臭のジメチルスルフィドを使ってニオイをつけているのです。
悪臭であることをメリットとして買われて、安全のために利用されているのですね。
キャベツが育った土壌が原因
キャベツが臭くなる原因としては、「メチルイソボルネール」という物質も考えられます。
これは、キャベツが育った土の中に含まれる微生物が作る物質で、水道のカビ臭さの原因とされています。
毒性はないのですが、人間の嗅覚はこの物質のニオイに敏感で、ほんの微量でも、すぐに「カビ臭い」と感じ取れてしまいます。
キャベツが「カビ臭い」と感じる人は、このメチルイソボルネールのニオイを嗅ぎ取っているのでしょうね。
また、キャベツが臭い原因として、残留農薬では?と気にする人がいるかもしれません。
農林水産省のサイトを見ると、気にしなくても大丈夫そうです。
農林水産省のHPによると、厚労省の定めるキャベツの残留農薬基準値3ppmに対して、実際に流通しているキャベツでは、最大でも残留濃度は半分の1.5ppm、平均の残留濃度は0.98ppmとなっています。
参考:農林水産省HP
キャベツの品種が原因
ャベツは、冬の終わりから春にかけて収穫されるものと、初夏以降に収穫されるもので、品種が異なります。
市場に出回るキャベツの品種が切り替わるタイミングで、キャベツの臭みを感じるという報告が増えるようです。
臭いキャベツに当たったことがある方は、それがいつ頃だったか考えてみると、思い当たるフシがあるかもしれません。
キャベツの臭いは大抵の場合①や②が原因と考えられますが、③キャベツの品種によっても臭く感じられる場合があります。
キャベツの臭いを防ぐ方法を5つ紹介!
キャベツの臭いを取るには、どうしたらいいのかな?
キャベツの臭いを防ぐ取る方法を5つ紹介します。
- 古くなる前に食べ切る
- 保存温度に気を付ける
- 洗う・つけ置きする・湯通しする
- 加熱調理する
- 濃い目の味付け
こちらも、一つずつ見てみましょう!
古くなる前に食べ切る
買ってきたキャベツは、臭みが出る前に使い切りましょう。
キャベツの臭み成分は、イソチオシアネートが酸素と反応してできるジメチルスルフィドでした。
ということは、イソチオシアネートが酸素に触れるチャンスが少なければ、ジメチルスルフィドに分解する量が減る、即ち、ニオイの原因成分が減るということです。
キャベツを買ってきて、長い間そのまま食べずにいると、酸素に触れ続けていることになります。
古くて鮮度の落ちたキャベツほど、臭みリスクが高いわけです。
そのためには、一度に大量に買い込まないことも大切ですね。
保存温度に気を付ける
キャベツの最適な保存温度は0℃~5℃ですよ。
キャベツは冷蔵庫保存なんだね。
常温に置いておくと、キャベツの表面に付着した土の中の微生物が繁殖し、ニオイの原因物質であるメチルイソボルネールが増えてしまいます。
不適切な保存温度もキャベツが臭くなる原因ですので、保存する場合は冷蔵でということをお忘れなく。
洗う・つけ置きする・湯通しする
キャベツに付着している臭みの原因になる物質をしっかり洗い落としましょう。
既に臭みが出ていて、洗うだけでは臭みが取れない場合は、つけ置きにするという方法もあります。
つけ置きにするなら、少量の酢やレモン汁を入れるとさらに効果的。酸味が臭み成分を中和してくれます。特に、千切りキャベツにおススメですよ。
臭み成分は汚れと同じで、水よりもぬるま湯の方が落ちますので、湯通しするのも効果的です。
加熱調理する
生で食べるのではなく、加熱調理することで、臭みが気にならなくなる場合もあります。
原理としては、水洗いと同じく、臭みの原因成分を調理の過程で取ってしまうのです。
煮込みに使えば、煮汁の中に臭み成分が溶け込みますし、油いためをすれば、調理用油に溶け出します。
煮汁や調理油の味に紛れて、臭みが気にならなくなるという仕組みです。
濃い目の味付けにする
トンカツ用の千切りキャベツがなんか臭いな~
予定変更!焼きそばに投入してソースの味を濃い目にしてみましょう。
他にも、みじん切りにして餃子に入れ、ニンニクをいつもより多めに使い、かつ、焼きあがったギョーザは、たっぷりのラー油でいただく、なんてどうでしょう。
なんだか、かなり悪あがきという感じですかね…。
上記の例は、私の好みなのですが、他にも、激辛の味付けの麻婆豆腐に入れるとか、いつもより濃い味のミネストローネなんてのもいいかもしれません。
まとめ
今回は、キャベツが臭い理由とその対処方法について調べました。
【キャベツが臭い原因】
- キャベツの成分の一つ、イソチオシアネートが酸素と反応してできるジメチルスルフィド。(ガスのにおい付けに使われるような悪臭成分)
- メチルイソボルネールという、土の中にいる微生物が産生する物質。(カビ臭いニオイの原因)
いずれの物質も、過量摂取しなければ、人体に悪影響はない。
【臭いキャベツの対処方法】
- 古くなる前に食べ切る
- 保存温度に気を付ける
- 洗う・つけ置きする・湯通しする
- 加熱調理する
- 濃い目の味付け
キャベツの臭み、私はそこまでひどいものはまだ経験したことがありません。
今回調べてみて驚いたのは、ガスのニオイと臭いキャベツの原因物質が同じということでした。
「悪臭成分」という名前もまた、強烈ですね。
今後も、変なニオイのキャベツに当たらないように祈ってますが、当たってしまった場合は、酢水でしっかり洗って、ニンニクとラー油たっぷりの餃子で、ごまかして食べようかなと思います。
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