玉ねぎって洗うと思う?それとも洗わないと思う?
えっ、洗わないことあるの?
野菜に関して、「する派」「しない派」で議論になりがちなポイントはいくつかあります。
「皮をむくか・むかないか」、「洗うか・洗わないか」などが、その典型ですね。
「する派」「しない派」の議論ではいつものことですが、どちらの言い分にも納得できるところが沢山あり、勉強になります。
記事を読み終わるころには、「洗う派」が「洗わない派」に、或いはその反対に、意見が変わっているかもしれませんよ。
玉ねぎは洗うのか?
結論から言うと、その玉ねぎがどんな状態かによって臨機応変に…ということになりそうです。
玉ねぎを洗う派・洗わない派、それぞれの意見を見てみると、どちらが正解というわけでもなさそうなんですね。
それでは「洗う派」「洗わない派」おのおのの言い分を、詳しく見てみましょう。
洗う派の意見
まず、玉ねぎを「洗う派」の意見ですが、洗う派が重視するポイントは2つあります。
- 衛生面を重視
- 調理のしやすさを重視
一つずつ、具体的な意見を見てみましょう。
①衛生面を重視
衛生面を重視して玉ねぎを洗うという意見では、このようなものがあります。
- 外側の茶色い皮をむいても、中身に汚れがついている場合がある。
- 野菜は、何でも洗う方が安心して食べられる気がする。
どちらの意見も納得できるものですね。
特に、産直品などで、玉ねぎの表面に土が残っている場合は、洗って落とした方が衛生的なことは確かです。
例えばジャガイモの場合、お店で売られているものの中にも、土付きのものと、きれいに洗って乾かした状態でパックされているものの2種類がありますよね。
前者の場合は皮をむく前にも、むいた後にも洗いますし、後者の場合でも皮をむいた後にさっと洗うのではないでしょうか。
玉ねぎの場合、土がついているものは店頭ではあまり見かけません。
入手する機会があるとすれば、自家栽培のものを譲ってもらう場合か、産直品を段ボール入りで購入する場合などでしょうか。
ジャガイモ同様、表面の皮に土がついていた場合は、それをむいても、皮に触れた手で中身を触っていますので、やはり洗う必要があるという感覚です。
②調理のしやすさを重視
2つ目の重視ポイントは、下ごしらえや調理をするときに、洗った方が玉ねぎを扱いやすいというものです。
- 短時間水に浸けておくことで、皮がむきやすくなる
- 洗うことで辛味成分の揮発を抑えることができ、カットしても目にしみない
具体的には、このような意見があります。
玉ねぎの皮がむきにくいという経験、皆さんも一度や二度はあるのではないでしょうか。
玉ねぎの皮は、乾燥している場合に特にむきにくくなります。
こんな時、玉ねぎを軽く洗うか、もしくは10分程度丸ごと水に浸けておくとむきやすくなります。
どれだけお水に浸けておくかは、玉ねぎの皮の状態によって調節すると良いでしょう。
私の印象では、玉ねぎの皮にも結構個性があり、つるんと簡単にむけるものと、かなり努力してもむけないものがあります。
まずはさっと洗ってむけるかどうかやってみて、それでもむけなければ、何分か水につけておくというやり方がおすすめです。
皮つきの状態なら、水溶性の栄養分が抜け出てしまう心配もないので、10分程度であれば水に浸けておいても大丈夫ですよ。
洗わない派の意見
では、次に、洗わない派の意見を見てみましょう。
衛生面と栄養面のそれぞれについて、意見があります。
- 汚れているのは外皮だけで、皮をきれいにむいてしまえば、衛生面の問題はない
- 洗うと玉ねぎの栄養素のうちで水に溶けやすいものが失われてしまい、もったいない
「洗わない派」の意見も、どれもうなずけるものばかりですね。
汚れているのは、そもそも外皮だけだからという意見も理解できます。
衛生観念は、割と個人差が大きいものですし、人によっては、やたらと食べ物を洗うことを嫌う人もいます。
土がついている方が、栄養豊富と考える人もいますよね。
洗うことで、玉ねぎの水溶性成分が流出して減るからという意見も、野菜は可能な限り自然な状態で食べる方が、本来の栄養を生かすことが出来るという考えですよね。
そして、「もともと玉ねぎを洗うなど、考えたことがない」という強者もおられました。
私も、野菜の下ごしらえなどの調理の基本は、子どもの時に母の手伝いをしながら覚えましたが、記憶する限りでは、母が玉ねぎを洗っているのを見たことがありません。
自分が料理を教わった人が洗っていないと、自動的に洗わない派になる場合が多いですよね。
さて、玉ねぎを洗う派・洗わない派、それぞれの意見を見てみましたが、皆さんはどう感じられたでしょうか?
洗うタイミングと洗い方
さて、ここでは、玉ねぎを洗うとしたら、どんなタイミングで洗うのか、また、どんな洗い方があるのかを見てみましょう。
玉ねぎを洗うタイミング・洗い方は、大きく分けて、3タイプあります。
- 皮をむく前に丸洗い
- 皮をむいた後に丸洗い
- 皮をむいてカットした後に洗う
1つずつ、詳しく見てみましょう。
①皮をむく前に丸洗い
茶色の外皮をつけたままで洗います。ついている土や泥を落とす、農薬を洗い流すなど、衛生面を考えてこのタイミングで洗います。
前項で見た通り、皮が乾燥しているとむきにくいため、皮を水で湿らせるという目的もあります。
②皮をむいたあとに丸洗い
茶色の外皮をむいて、出てきた中身を水洗いします。こちらも、①同様に、衛生面を考えてそうします。
③皮をむいてカットした後に洗う
外皮を取り除いて中身を取り出し、更に、料理に使えるサイズ・形状にカットしてから洗うというものです。
徹底的に衛生面に配慮しようと思うのなら、玉ねぎの表面だけではなく、内側も洗えるこの方法がベストと言えます。
問題は、ビタミンB1や硫化アリルなど、水に溶けやすい成分が流れてしまうこと。この点は、長時間水にさらすのを避け、手早く処理することで、ある程度損失を軽減できます。
新玉ねぎの場合
ここまでは普通の玉ねぎのケースを見てきましたが、「新玉ねぎ」となると話が変わってきます。
普通の玉ねぎは洗わずに使っている方も、新玉ねぎは洗う方がいいかもしれません。
なぜなら、新玉ねぎの場合は、あの見慣れた「茶色くて乾燥した皮」がないためです。
あるものと言えば、薄くて柔らかい皮状のものだけ。それをむいたからと言って、衛生的に問題がないとは言えません。
普通の玉ねぎの場合も、皮が乾燥している場合などは、水で湿らせる方がむきやすくなるというお話をしました。
この点、新玉ねぎの場合は、皮が非常に薄く、普通のたまねぎよりも更にむきにくいです。そのため、やはり水につけるほうがむきやすくなります。
- ボウルなどの容器にたっぷり水を張る。
- 新玉ねぎを丸ごと水の中に入れ、3分程度放置。皮がふやけるのを待つ。
- 皮がふやけたら、水から取り出して、皮をむく。
この方法だと、皮だけがスルッとむけてくれます。皮と実が密着している場合、皮をはがすつもりで実の部分も一緒にむいてしまう場合がありますが、この方法なら、その心配もありません。
皮をむいたあと、ボウルの水を入れ替えて一度実をくぐらせれば、実についた汚れもとれて、一層衛生的ですね。
こちらに、新玉ねぎの洗い方・皮のむき方の実演映像がありました。
とてもきれいに簡単にむけているので、是非ご覧になってみて下さい。
まとめ
今回は、玉ねぎを洗う派・洗わない派、それぞれの意見について、詳しく見てみました。
玉ねぎを洗うか洗わないかは、どちらが正解と言うわけではない。
洗う場合のタイミングと洗い方
- 皮をむく前に丸洗い
- 皮をむいた後に丸洗い
- 皮をむいてカットした後に洗う
衛生的かつ栄養をなるべく逃さないためには、③を選択して手早く洗うのが◎
あわせて、新玉ねぎを洗う場合のメリットと、洗い方についても見てみました。
玉ねぎを洗うか洗わないか。調べてみると、随分沢山の意見がありました。
私自身は、母の料理の仕方を見たおかげで、ずっと「洗わない派」でしたが、ちょっと振り返ってみると、学校の調理実習でも、「玉ねぎを洗う」とは教わっていないような気がします。
あとは、例えば、キャンプに行った時。
キャンプ飯の定番、カレーには、絶対に玉ねぎを入れますが、キャンプ仲間が玉ねぎを洗っているのも見たことがないような…。
しかし、調査した限りでは、洗う派・洗わない派は、ちょうど半々くらいなのだそうです。であれば、身近なところに、もうちょっと洗う派の人がいてもいいような気がしますね。
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