メロンを食べて喉がイガイガ、舌がピリピリした経験はある?
実はあるんだ・・・
私と2歳の娘は、甘くておいしいメロンが大好物です。
お中元で贈られてきたり、外食で出たりすると喜んで食べるのですが、私の主人はメロンが苦手です。
理由を聞くと、子供のころにメロンを食べたときに、喉がかゆくイガイガしたことがあって、その経験がトラウマになり、それ以来あまりメロンが好きではないそうです。
確かに、メロンを食べたときにイガイガすることってありますよね。
私の娘も、いまのところはおいしそうに食べていますが、これからそういう体験をして、メロンを嫌いになってしまう可能性もあるかもしれないと思うと、そのイガイガの原因が何なのか知りたくなってきました。
今回はメロンのイガイガ・ピリピリの原因についてご紹介していきます!
メロンで喉がイガイガする原因と治し方
メロンは他の果物に比べ高級で、普段からというよりは特別なときに食べることが多いと思います。
せっかくのメロンなのに、喉がイガイガしたり、舌がピリピリしたりすると驚いて不安になってしまいますよね。
いったいこれらの症状の原因は何なのでしょうか。
原因について
メロンを食べて喉がイガイガ・舌がピリピリする原因は、主に3つです。
- たんぱく質分解酵素に刺激されたため
- 熟しすぎると生成される揮発性物質に刺激されたため
- 口腔アレルギーの反応が出たため
<たんぱく質分解酵素による刺激>
メロンには、ククミシンというたんぱく質分解酵素が含まれています。
このククミシンは30年前に発見された成分で、名前もメロンの学名である「ククミス メロ」にちなんでつけられたそうです。
ククミシンはたんぱく質を分解する力を持っていて、例えば冷たい牛乳にメロンを混ぜると、ククミシンの働きで、牛乳のたんぱく質をペプチドという苦み成分に分解してしまい、時間がたつと牛乳がとても苦くなってしまうんです。
では、メロンを食べたときはどういう働きをするのでしょうか。
私たちの口の中や、舌のまわりのネバネバした粘膜にはたんぱく質が含まれていて、それをククミシンが分解し溶かしてしまいます。
すると舌がむき出しになり、メロンの苦み成分や酸味などの刺激に反応して、舌がピリピリしてしまうそうなんです。
そんな刺激物食べても大丈夫?と思ったのですが・・・
私たちの口のなかでは常に唾液がつくられ、唾液からたんぱく質が分泌されるので、食べ終わった後にはもとどおりになるそうなので、心配しなくても大丈夫なようになっています。
また、ククミシンはメロン本来の成分ですし、同じようなたんぱく質分解酵素はパイナップルやキウイなどにも含まれます。
そして、たんぱく質分解酵素は消化にも良いとされていますので、メリットもあるんですよ。
<熟しすぎると生成される揮発性物質の刺激>
メロンには「食べごろ」があり、それを過ぎて熟しすぎたことが原因で、口の中に刺激を感じることがあります。
「食べごろ」を過ぎたメロンは、エタノール、酢酸エチル、炭酸ガスなど50種類もの刺激物を生成させるため、それらの揮発性物質が口の中を刺激して舌がピリピリしてしまうことがあるんです。
これはいわゆる「電気メロン」と呼ばれる症状で、いずれも身体に害があるわけではありませんが、あまりに刺激を感じる場合は食べるのをやめたほうがいいと考えられます。
<口腔アレルギー症候群>
メロンを食べたときに喉がイガイガしたり、唇や口のなかに痒みや腫れを感じたり、腹痛や下痢、じんましんなどが出て症状がなかなかおさまらない場合は、口腔アレルギー症候群である可能性があります。
卵・小麦・乳製品などのアレルギーはよく耳にすると思うのですが、なんとメロンなどの果物でもアレルギー反応が出てしまうことがあるなんて驚きですよね。
そして、多くの日本人が悩まされている花粉症と、この口腔アレルギー症候群は深い関わりがあると言われていて、なんと花粉症患者の10人に1人が口腔アレルギー症候群を発症しているそうです。
なぜ花粉症と果物アレルギーが関係するかというと、
特定の果物や野菜に含まれるアレルゲン(たんぱく質)と、花粉のアレルゲンの構造が似ていて、果物や野菜を食べたときにからだは花粉が侵入したと勘違いしてしまいます。
このことを「交差反応」と言って、この交差反応によって花粉症の方が果物や野菜を食べたときに口腔アレルギー症候群を発症することがあるそうです。
一般の食物アレルギーと口腔アレルギー症候群は、からだに起こる反応が少し違うという特徴があります。
食物アレルギーと口腔アレルギー症候群の違い
食物アレルギー | 口腔アレルギー症候群 | |
---|---|---|
特徴 | 熱や消化につよい | 熱や消化によわい |
症状 | からだに入ってから全身に反応 | 口や喉など直接触れたところが反応 |
代表的な原因となる食品 | 卵・小麦・乳製品などが原因 | 花粉のアレルゲンと似ているたんぱく質をもつ果物・野菜 |
通常の食物アレルギーと違い、口腔アレルギー症候群は小腸に達するまえに壊れてしまうために、主に口のなかだけに症状がでることが多いようです。
口腔アレルギー症候群は、花粉症を引き起こす花粉の種類と類似した果物や野菜によって症状が出るので、花粉症の方は、どの果物でアレルギーが出る可能性があるか知っておくといいかもしれません。
花粉と関連があるとされる果物・野菜
花粉 | 関連がある食べ物 |
---|---|
シラカンバ・ハンノキ | リンゴ、モモ、ナシ、メロン、キウイ |
スギ・ヒノキ | トマト |
オオアワガエリ・カモガヤ | メロン、スイカ、トマト、ジャガイモ、玉ねぎ、オレンジ |
ブタクサ | メロン、スイカ、ズッキーニ、キュウリ、バナナ |
ヨモギ | 人参、セロリ、トマト、キウイ |
意外にもたくさんの果物や野菜で発症する可能性があるんですね。
口腔アレルギー症候群の主な症状は、食べてから数分以内に唇、舌、口の中や喉にかゆみやしびれ、むくみなどがあらわれることがあるのですが、時間がたつと症状はしだいに出なくなります。
ひどい場合はアナフィラキシーショックを起こす可能性もあるので、注意が必要です。
また、花粉症ではなくても、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、ゴム手袋過敏症の方も口腔アレルギー症候群を起こす可能性があるので、症状が出た場合は医療機関で診てもらったほうがよさそうですね。
口腔アレルギーを起こすアレルゲンは熱に弱いという特徴を持っています。メロンは難しいですが他の果物や野菜は加熱すれば食べることができるそうですよ。
治し方
せっかくのメロンなのに、喉のイガイガや舌がピリピリする症状が出てしまった場合はどう対処方法すればよいのでしょうか?
しっかりとお伝えしていきますので、落ち着いて確認してください!
- 口に含んだものを出し、口をゆすぐ
⇒原因となるものを吐き出して、体内に入れないようにし、症状が悪化するのを防ぎます。 - 熱いお湯やお茶を飲む
⇒矢印たんぱく質は熱に弱く、高い温度になると編成しますので、熱い飲み物を飲むことによって不快感を軽減させます。 - 牛乳やヨーグルトを食べる
⇒ククミシンが原因で舌がピリピリする場合は、牛乳などを口に含むことによってククミシンが牛乳のたんぱく質を分解しようとするため、口のなかの刺激がやわらぎます。
舌がピリピリするけど、食べても大丈夫?
ククミシンや熟しすぎたことによる揮発性物質が原因の場合は、そのまま食べても問題はありません。
ですが、口腔アレルギー症候群の症状が出た場合は食べるのをやめたほうがいいでしょう。
また、症状が改善されない場合や、何度も同じ症状が出る場合は医療機関でアレルギー検査を受けることをおすすめします。
イガイガしようないように予防する方法
口腔アレルギー症候群が原因の場合は、食べないようにするほかありませんが、熟しすぎが原因でイガイガする場合は、メロンの「食べごろ」をしっかり見極めることで予防することができます。
メロンの食べごろの見分け方について
メロンは食べごろになると、いくつかの特徴が出てきますのでご紹介します。
- つるが茶色く、乾いてい
- 果皮の色が薄くなっている
- メロンの甘い香りが全体からしてくる
- メロンのおしりを押すと少し弾力がある
こちらの記事でメロンの食べ頃の見分け方をより詳しくお伝えしていますので、ご確認ください。
メロンを追熟する正しい保存方法
メロンは収穫から約1週間後に「食べごろ」のタイミングがやってきますが、それまでは「追熟」と言って、常温保存が必要です。
風通しのよく、直射日光のあたらない涼しい場所で食べごろになるまで保管しましょう。
冷蔵庫に入れるのは食べる直前だけにしてくださいね。
「メロンの追熟方法!保存の仕方でメロンの美味しさが格段に変わる」に詳細が書いてありますので、ぜひチェックしてみてください!
まとめ
メロンを食べて喉がイガイガ・舌がピリピリする原因は、以下の3つでした!
- 食べてすぐに舌がピリピリする症状が出て、すぐにおさまった場合
⇒ククミシンというたんぱく質分解が口のなかの粘膜を分解したから
- 熟しすぎたメロンを食べた場合
⇒揮発性物質が発生し、口内を刺激したから
- 喉のイガイガや口内のかゆみ、じんましんが出た場合、花粉症体質の場合
⇒口腔アレルギー症候群を発症したから
一口にイガイガ、ピリピリといっても様々な原因が考えられるんですね!
アレルギーが関係していることには驚きました。
そういえば、舌に違和感を覚えて以来、トラウマでメロンが苦手な私の夫は、毎年花粉症に悩まされています・・・。もしかしたら口腔アレルギー症候群だったのかもしれないですね。
自分がどんなアレルギーを持っているか知るチャンスでもありますので、もしメロンを食べてアレルギー症状が出た場合には、念のため早めに検査したほうがよさそうですね!
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