少し前に買ったキャベツが変色してる・・・これってカビかな?
実は、変色した色によって原因が違うんだよ。
キャベツを使えるメニューは、とても幅広いです。
使いまわしがきく食材なだけに、買い物に行ってキャベツを見つけると、つい「ひと玉丸ごと買っておくか。あれば何かと使えるから」などと、大きなキャベツを一個買ってしまう。
ところが、そんな時に限って、なぜかキャベツを使わないメニューを連続で作ってしまったり、半分だけ千切りにして、残り半分のことを忘れていたり。
そして、気が付いた時には、買ってからしばらく経ってしまっている。
恐る恐る野菜室に入れっぱなしのキャベツをチェックしてみると、変な色に…。
そんな「キャベツあるある」ですが、どうしてキャベツは変色してしまうのでしょう?それが分かれば、変色を防止する方法も分かるはず。
そこで今回は、まずは、なぜキャベツが変色するのか、そして、それを防止するにはどうしたらいいのかを調べてみました。
変色したキャベツは食べられるの?
変色したキャベツは、基本的には食べても問題はありません。
ただし、後で説明する腐敗が原因で変色している場合は食べることはできませんのご注意ください!
次の項で詳しく取り上げますが、切り口が黒や茶色に変色する場合や紫色に変化する場合は、キャベツに含まれる成分の反応による変色ですので、食べても害はありません。
基本、食べても大丈夫なので、変色した部分を切り捨てるかどうかは、あなた次第 です。
見た目を気にせず、食べられる食材を捨てるのは忍びないと思う場合は、変色した部分をカットせずに使って大丈夫です。
反対に、料理の見た目を大事にしたい、特に生で食べる場合は、色が変わっているのを見ると食欲が落ちる…と言う方は、カットするという選択も、もちろん有りです!
私は、どちらかというと後者です。皆さんはいかがですか?
それでは、次に、キャベツが変色する理由を詳しく見てみることにしましょう。
キャベツが変色する理由
キャベツは、次のような色に変色します。
■黒色■茶色■紫
それでは、それぞれの色に変化する理由を詳しく見てみましょう。
黒色に変色する理由
キャベツが黒色に変色するのは、キャベツの成分の一種、ポリフェノールの酸化が原因です。
へぇ〜カビじゃないんだね!?
たぶんキャベツの変色で一番よく目にするのがこの黒色。カビと間違えてしまいそうですが、そうではなかったんです。
ポリフェノールの酸化現象はリンゴでもよく見られます。
ポリフェノールは単独で自然に変色するものではなく、他に次の2つの要素が関わってきます。
- 酸素
- ポリフェノール酸化酵素
ポリフェノールとポリフェノール酸化酵素は、野菜や果物の細胞中の別の場所にあります。野菜や果物をカットした時に、細胞が破壊されてこの2つが混ざり合い、そこに空中の酸素が触れることで酸化反応が進んで、変色が起こります。
変色する原理が分かれば、変色を防ぐ方法も分かってくるので、この点はしっかり押さえておきましょう。
茶色に変色する理由
キャベツが茶色に変色するのも、黒色と同じくポリフェノールの酸化現象です。
同じポリフェノール酸化なのに、黒になる時と茶色になる時があるんだ?
どうして、黒と茶色の違いがあるのか…、個人的には謎なのですが、調べてみてもよく分かりませんでした。
もしかすると、ポリフェノールの量によって色の濃さが変わるため、茶色くなる場合は、黒い場合と比べて、ポリフェノールの量が少ないのかもしれないですね。
紫に変色する理由
キャベツが紫色に変色するのは、キャベツが本来持っているアントシアニン色素が原因です。
天然成分が由来だから、食べても問題ないんだね。
アントシアニンと聞いて思い出すものと言えば、果物のブルーベリー。
健康上の効果としては、抗酸化作用を持ち、アンチエイジングに効くとされています。
アントシアニンは、気温が低くなると変色します。
食べても問題ないとは言え、見た目が紫では気持ち悪いと思う場合は、お湯に通して温めることで緑色に戻りますよ。
食べてはいけないキャベツの変色
では続いて、食べてはいけない腐敗による変色もチェックしておきましょう。
キャベツが腐敗すると、変色だけではなく次のような3つの変化が見られます。
- 色の変化:黒くなる。
- 触感の変化:ヌメリのある液体がにじみ出てくる、葉が溶け始める。
- ニオイの変化:酸っぱいニオイがする。
キャベツが腐っているかどうかは、変色だけではなく、触感やニオイなど、総合的に判断する必要があります。
詳細は、「キャベツが腐ると?実は見分け方を勘違いしている人が多い!?」にまとめていますので、ぜひそちらをご参照ください。
キャベツの変色を防ぐには
キャベツが変色する原因が分かったところで、変色を防ぐにはどうしたら良いのかを考えてみましょう。
キャベツが変色する原因を軽くおさらいすると、
- 酵素
- ポリフェノール酸化酵素
- 冷え
つまり、この3つの要素の影響を防げばぐれば良いわけです。
それでは一つずつ、具体的な方法を見てみましょう。
酸素に触れさせない
キャベツの変色を防ぐために、酸素をシャットアウトしましょう。
その方法は…
- 密閉する:ジップロックなどの食材を保存できる容器に入れて保管
- 水分に浸しておく:キャベツの切り口に水に濡らした新聞紙やキッチンペーパーを密着させて保存
ポリフェノール酸化酵素の働きを抑制する
こちらについては、レモン水、塩水を使うという方法があります。
- 塩水:ポリフェノール酸化酵素の働きを抑制する作用がある。
- レモン水:ビタミンCに酸化防止作用がある。
そういえば、市販のリンゴジュースの成分の記載を見ると、酸化防止剤としてビタミンCと書かれているものがありますね。
ビタミンC入りのリンゴジュースが、開封してからもあまり変色せず、ずっと透明感のある綺麗な色を維持することができるのは、このためだったのですね。
キャベツを塩水、レモン水に浸ける手順は、とても簡単です。
① ボウルに水を張り、適量の塩またはレモン汁を入れる。
② キャベツを中に浸ける。
③ キャベツを取り出し水気を切ったら、密閉保存する。
千切りにしたキャベツの場合は、水につけっぱなしにしておくという方法もあります。
ただし、その場合は、水溶性の栄養分が流出してしまうことは避けられません。
やはりキャベツは、食べ切れる分だけ切って調理し、残りは変色しないように保存するのが基本ですね。
冷やさない
冷えが原因の場合は、そもそもキャベツの適切な保存温度が0~5℃とされているため、対策が難しいですね。
生食の場合は、保存中に紫色になった部分を取り除いて使う、または、気にせずに食べるかの二択になります。
加熱して食べる場合は、加熱によって紫色が消えるので問題ないですよ。
キャベツの変色を防ぐ方法を色々見てきました。
食べても害はないのだから、変色しないように敢えて色々工夫しなくてもいいや!と、大らかに構えていられれば楽でいいですね。
しかし、私は残念ながらそこまで大らかではいられません。一方、面倒くさがり屋でもあるので、変色させないように保存する手間もかけたくないのが本音。
もう、食べる分しか買わないという選択肢しか残されていない気がします…
キャベツの保存期間の目安
ここで、キャベツのそもそもの保存期間についても押さえておきましょう。
- 温で保存した場合:1~2週間
- 冷蔵で保存した場合:2週間。長くてもて1カ月程度
この期間を超えて長い間保存しておけば、それだけ変色の可能性も高くなります。
保存期間をちょっと意識していると、キャベツを変色させずにすみますよ。
新鮮なキャベツの選び方
キャベツの変色を防ぐためには、まずキャベツを買うときに新鮮なものを選ぶことも大切です。
新鮮なキャベツを選ぶにも、いくつかコツがあります。
詳細は別記事「キャベツの選び方」に記載していますので、要点だけ紹介しますと…
- 重さ:重い方が良い
- 色:綺麗な緑色のものが良い
- 芯:長さ、大きさ、切り口の状態
などをチェックして見極めます。
詳しく知りたい方は、「【失敗しないキャベツの選び方】季節ごとの特徴を解説します!」をご覧ください。
まとめ
今回は、キャベツが変色する理由と、それを防止する方法について調べてみました。
【キャベツが変色する理由】
- キャベツに含まれるポリフェノール、アントシアニンが原因。
- これらの成分が酸素や低温などの条件がそろったときに、茶色、黒、紫に変色する。
- キャベツが本来持っている成分なので、変色したものを食べても問題はない。
- 腐敗が原因の変色の場合は食べてはいけない。
【キャベツの変色を防ぐには】
- 酸素に触れさせないー密閉保存・水に浸ける
- ポリフェノール酸化酵素の働きを抑制するー塩水・レモン水
- 冷えが原因の場合は、加熱調理すると色が元に戻る
料理で大切なものとして、味、栄養と並んで、やはり外せないのが見た目です。
実際、見た目が悪いと、自分で作ったものでも食欲が失せる方なので、変色キャベツは許せません!!
幸い、我が家では、キャベツを買うにしても半玉の場合が殆どですし、買ったら必死で(?)使うので、あまりひどい変色はお目にかかったことがありません。
皆さんは、キャベツの食べ方、保存の仕方について、どんな工夫をされているでしょうか。
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