ある程度の量をまとめ買いして、自宅で保存しておくことが多い野菜類。
水分が多いため、保存にあたっては特にカビや腐敗に注意が必要です。
一般に、長持ちして傷みにくい野菜と考えられている「玉ねぎ」。
その玉ねぎも、保存方法によってはカビが生えることがあります。
玉ねぎに生えるカビの正体は?カビが生えた玉ねぎは食べられるのか?
今回は、玉ねぎとカビについて調べてみました!
玉ねぎにカビが生えてるけど食べられる?
カビはその色によって、食べられるものと食べられないものがあります。
玉ねぎに生えるカビは、大体以下の3色に分けられ、それぞれ原因が異なります。
- 黒い場合
- 白い場合
- 青や緑の場合
1つずつ、詳細を見てみましょう!
玉ねぎが黒くなった場合
黒いカビが生えている玉ねぎは、食べられません。
黒いスス状のものが、玉ねぎの表面・茶色い皮をむいた中身の表面に生えているような場合です。
黒い部分を取り除けば残りの部分は食べてOKと考える向きもありますが、黒カビが発生している野菜がいい状態であるとは言えません。
黒カビ以外のどんな菌類が繁殖しているか見た目だけでは分かりませんし、その菌が原因で食中毒を起こしては大変です。
玉ねぎに生える黒いスス状のものは、「黒カビ病」の原因となるカビ「アスペルギルス・ニガー」です。
黒カビ、黒麹菌(くろこうじきん)とも呼ばれ、湿った土の中・空気中などに生息しています。
玉ねぎが白くなった場合
玉ねぎの根の部分に白いカビが生えている場合も、食べない方が良いです。
根の部分に確認される白いカビは玉ねぎの伝染病の可能性があるからです。
「タマネギ乾腐病(かんぷびょう)」という伝染病で、フザリウム・オキシスポルムf. sp.セペというカビによって発生します。
放置しておけば、根の部分から腐敗が進行して、玉ねぎの実全体が食べられる状態ではなくなります。
こちらに写真があります。
玉ねぎが青や緑色になった場合
玉ねぎに青や緑のカビが生えている場合も、食べない方が良いでしょう。
黒いカビや白いカビの場合のような、玉ねぎ特有の疑われる病気などではないようです。そのため、一般的に食品に見られる青や緑のカビの場合を想定してみました。
青かびであれば、ブルーチーズのように食べられるものもあるので大丈夫では?と思われるかもしれません。
しかし、青かびにも多くの種類があります。玉ねぎに生えているものが食べても問題ないものかどうか見た目だけで判断するのは危険です。
青カビの原因はペニシリウム属の菌で、みかんなどのかんきつ類でよく見られます。
食パンに発生する青カビもこの種類です。
参考までに、日本でのカビによる健康被害に関して、NPO法人カビ相談センターから報告が挙げられています。
少なくともここ数十年間、日本においては、カビによる急性食中毒の発生は報告されていません。このような急性毒性とは別に、カビ毒には微量を長期間食べ続けることにより発生する慢性毒性があります。
(中略)
食品原材料にカビが生えて一旦カビ毒が作られると、加熱調理によりカビは死んでもカビ毒は熱に強いので残ってしまいます。ー食品のカビ危害と防御
食べ物のカビ、部分的に生えているだけだと私もつい「もったいない精神」で、他の部分を救出したくなります。
しかし、カビ毒のことを考えると、カビを見たらとにかく口にはしない!これが原則なんですね。
特に新玉ねぎは、乾燥不足が原因でカビが発生しやすい傾向があります。
カビの発生を防ぐには適切な保存が大事ですが、これに関しては後述の「玉ねぎの保存方法」をご参照ください!
玉ねぎが腐っているかどうかの見分け方
カビと並んで、野菜を保存していて気になることは、「腐っていないかどうか?」です。
玉ねぎが腐っている場合、以下のような特徴が出てきます!
- 外見:実から汁がにじみ出てきて、湿っぽくなります。
- 手触り:硬かった玉ねぎが、ブヨブヨと柔らかくなります。
- ニオイ:玉ねぎの香りとは明らかに異なる強烈な腐敗臭がします。
「玉ねぎの腐ったようなニオイ」とよく言いますが、どんなニオイなんでしょう。実はまだ経験がありません…。
でもよく、都市ガスやプロパンガス(本来は無臭)には、ガス漏れにすぐ気が付けるように、玉ネギや卵の腐ったようなニオイが付けられているそうです。
ガス漏れのようなニオイがしたら、要注意です。
保存している玉ねぎがこんな状態になっていたら腐ってしまったと判断して、すぐに捨ててしまいましょう!
玉ねぎの保存期間の目安
傷みにくく長持ちすると漠然と考えられている玉ねぎですが、本来の保存期間はどの程度なのでしょうか?
玉ねぎと新玉ねぎで、まとめてみました。
種類 | 常温 | 冷蔵 |
---|---|---|
玉ねぎ | 2か月 | 1か月 |
新玉ねぎ | 2か月 | 1週間 |
新玉ねぎは、普通の玉ねぎに比べて水分が多いため傷みやすく、保存期間も短めです。
新玉ねぎは、あまりたくさん買いだめせず早めに使い切りましょう!
玉ねぎの保存方法
玉ねぎの保存方法の基本は、風通しがよいところで直射日光を避けて保存することです。
さらに細かく注意点を見てみると…
- なるべく広い場所に、玉ねぎが重ならないように並べる。
- 常温保存が基本だが、気温が上がる夏、湿度が高い時期などは冷蔵庫を利用した方が長持ちする。
- 冷蔵庫を使う場合は、湿気防止のため新聞紙などで玉ねぎを包んでおく。
①についていえば、玉ねぎを吊るしてしまえば簡単です!
玉ねぎを吊るす方法については「玉ねぎを吊るす方法と理由を農家に聞いたら大事なポイントがあった!」をチェックしてみてください。
なんでもとりあえず冷蔵庫に入れておけば大丈夫!というわけではない点、注意が必要ですね。
冷蔵庫の野菜保管庫は通風が悪く、意外と湿度が高くなりがちだそうです。
上手に保存して、玉ねぎにカビが生えないようにしましょう。
まとめ
今回は、玉ねぎにカビが生えたけど食べられるかについて調べてみました。
まとめると…
- 玉ねぎに生えるカビは、色によって原因が異なる。
- カビが生えてしまった玉ねぎは食べない。
- 玉ねぎがカビたり腐ったりしないよう適切に保存する。
玉ねぎの適切な保存方法は、、、
- 直射日光を避け風通しの良い場所を選ぶ。
- 他の玉ねぎと重ならないようにする。
- 新聞紙で包み、湿気から守る。
カビって、良くも悪くも色々な状況で見慣れ過ぎていて、つい「カビた部分だけ取ってしまえば大丈夫じゃない?」と考えてしまいがちですよね。
でも、カビそのものよりも、カビが生えるような状態に置かれていた食べ物が他の点で大丈夫かどうかを疑うべきなんですね。
とにもかくにも食べ物は鮮度!という基本を守っていきたいですね。
上手に保存して、そもそも玉ねぎにカビが生えないようにしたいと思います!
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