夏になると癒しを求めてホタル鑑賞に出かける方もいらっしゃるかと思います。
ホタル鑑賞は夏にしか出来ないですし、お子様の自由研究や夏休みの思い出作りにうってつけではないでしょうか。
そこでふと疑問が。なぜホタルは光るのでしょうか?
夜になるとホタル自身が暗いのが怖いからでしょうか?はたまた、外敵から身を守るためでしょうか?
ホタルが何故光るのか、どんな仕組みで光るのか、光り方に性別の差はあるのか、ホタルの生涯で光り出すのはいつなのかなど、意外と知らないホタルの光についてスポットを当ててご紹介します。
ホタルはなぜ光るのか?
結論から言うと、ホタルは子孫を残すために光っています。
子孫を残すためには、オスとメスが出会わないといけないのが大前提ですが、産み落とされた卵のうち、無事に成虫になれるのはその中のたった5%だといわれています。
子孫を残す前に、産み落とされた卵が成虫になること自体がとても確率が低く、大変なことであることがよく分かると思います。
それに加えて、ホタルの成虫の寿命は2週間程度。ぼんやりしていたら子孫を残すことが出来ず、親から引き継いだ「命のリレー」を引き継ぐことが出来なくなってしまいます。
だからこそ、ホタルは光を放ちながら、異性と出会い、子孫を残すチャンスを懸命にうかがっているのです。
ホタルの光る原理や仕組みはどうなってる?
ホタルは体全体で光っている訳ではなく、お尻に光を放つ発光器があり、そこが光ります。
発光器の中にはルシフェリンと呼ばれる発光する物質と発光を助けるルシフェラーゼという酵素があり、このふたつが体内の酸素と反応することによりホタルは光を放っています。
なお、ホタルが放つ光は熱を持たず、触っても電球のように熱くありませんが、繁殖の相手を探すために懸命に光っているので、わざと捕まえて触らないようにしてあげて下さいね。
ホタルが光る時間帯っていつ?
ホタルが光る時間帯は以下のようなものです。
- 午後7時から9時頃
- 午後11時頃
- 午前2時頃
これは、日本で見ることが出来る代表的なホタルであるゲンジボタルとヘイケボタル両方に共通しています。
ホタルが光る時間をより詳しく知りたい方は「ホタルの活動時間はいつ?ホタル観賞には欠かせない情報を大特集!」を合わせてご覧ください。
どんな光り方をするの?
ゲンジボタルとヘイケボタルは同じ時間帯にそれぞれ光っていますが、両者に何か違いはあるのでしょうか。
まず、ゲンジボタルは東日本では4秒に1回、西日本では2秒に1回光り、生息している地域により光る間隔が違うという特徴があります。
さらに、ゲンジボタルの光はホタルの仲間では一番明るいといわれており、派手な光り方をしています。
それに対し、ヘイケボタルは1秒に1回光り、光の強さもゲンジボタルと比べると弱く、揺れながら発光しています。
これらの特徴を覚えておくと、ホタル鑑賞のときにどのホタルが光っているのか分かって良いでしょう。
より詳細にゲンジホタルとヘイケボタルの違いを知りたい場合は、「ホタルの種類と見分け方は?光り方の特徴を併せてチェック!」を併せてご覧ください♪
オスもメスも光るの?光り方が違うの?
ホタルはオスもメスも光りますが、光り方は性別によって異なります。
前述した通り、ホタルには発光器がありますが、オスは発光器が2節光るのに対し、メスは1節だけ光ります。
ホタルは子孫を残すためのアプローチをオスからメスに行いますが、ホタルは視力があまり良くなく、相手に気付いてもらうためには明るくないといけません。そのため、メスよりオスの方がより明るく光るのではないかと考えられています。
ホタルはいつから光るの?
日本で見ることが出来る代表的なホタルであるゲンジボタルとヘイケボタルは、成虫だけではなく卵のときから光っています。
つまり、一生を通じて光り続けているのです。
なお、昼行性のホタルであるオバホタルはほとんど光りません。それ故、ゲンジボタルやヘイケボタルなどの光るホタルは、夜行性だから光るのではないかと考えられています。
まとめ
ホタルが何故光るのかなどのホタルの光りに関するあれこれを見てきましたが、最後にホタルが光る理由をまとめます。
- ホタルが光るのは子孫を残すため。
- ホタルが光るのはお尻に発光器があり、発光器の中で化学反応が起こっているから。
- ホタルが光るのは午後7時から9時頃、午後11時頃、午前2時頃の3回。これはゲンジボタルとヘイケボタル両方に共通している。
- ゲンジボタルは光り方に地域差がありホタルの仲間では一番明るい。それに対しヘイケボタルは1秒に1回光り、ゲンジボタルよりも弱い光りである
- ホタルの光り方には性差があり、メスよりオスの方が明るく光る
- ゲンジボタルとヘイケボタルは成虫になってから光るのではなく、卵の段階から光っている。オバホタルのようにほとんど光らないホタルもいる。
人々を癒してくれるホタルの光。
その光りは癒しのためだけではなく、親から引き継いだ命のリレーを子孫に繋げるために存在しています。
近年、ホタルの生息地の水質汚染や環境改変、地球温暖化が原因の異常気象などの影響により、ホタル鑑賞が出来る場所が減ってきており、中にはホタル鑑賞をしたことがない人もいます。
このままホタル鑑賞が出来なくなってしまうのは忍びないですよね。
一度変わってしまったものはなかなか元に戻せませんが、ひとりひとりがホタルたちの現状を知ることによりホタルやその生息地を守ることが出来るかも知れません。
美しく癒されるホタルの光、私たちも子孫に見せてあげたいですね!
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