こんにゃくといえば、独特の食感と低カロリーの特性からダイエット食材として一世を風靡した食品で、ずっと身近な存在であったかと思います。
しかしこのこんにゃく、そのまま食べてみたことはありますか?
こんにゃくは生でもアク抜き不要で食べることが可能で、食べ方次第でさまざまな活用法が存在します。
本記事では、そのままでもレパートリーが豊かなこんにゃくの未知なる可能性をご紹介します。
栄養たっぷりで噛み応えもあり、手軽に食べられるこんにゃくを普段の食事に取り入れるためのアイデアやレシピ、保存方法などを詳しく解説します。
また、こんにゃくをそのまま食べる利点や注意点も交えてご覧いただきます。
美味しく食べるコツから、ちょっと変わった利用シーンまで。こんにゃくそのまま、新しい食べ方の可能性を切り開きましょう。
こんにゃくは生でそのまま食べても大丈夫なのか?
こんにゃくは、生で食べても大丈夫です。
刺身こんにゃくはもちろん生で食べられますし、一般のこんにゃくも生で食べて問題ありません。
ただ、食べ方としては火を通す方が一般的です。
その理由は、加熱調理しないと安全性に問題があるからではなく、単純に生だと美味しくないからです。
具体的には、こんにゃく特有の臭いが関係しています。
ただし、こんにゃく芋は、シュウ酸カルシウムが含まれているため生で食べることができませんので、ご注意ください。
こんにゃくが生臭い?
こんにゃくを加熱調理する代表的な理由は、こんにゃく特有の臭みを消すためです。
このニオイの原因は何かというと…
「こんにゃくの主成分であるコンニャクマンナン自体には臭いがありません。
製造過程での煮沸時にでるアクや凝固剤として加えられる水酸化カルシウム水溶液が主な原因です。」
というわけで、こんにゃくの加熱調理には、アク抜きをして臭みを消すという意味があるのですね。
なお、製品によってはこのニオイが控えめなものもあるようです。
その場合は、加熱調理せずとも生で美味しく食べられそうですが、どうなのでしょうか。
ここで考えてみたいのが「刺身こんにゃく」と「普通のこんにゃく」の違いです。
両者の違いとは…
・刺身こんにゃくは、一般のこんにゃくと比べて、含まれる水分の量が多い。
・一般のこんにゃくは煮込みなどで味をしみこませる前提で製造されているが、刺身こんにゃくはそれをしないで食べることが前提。
そのため、こんにゃく自体にゆず・のりなどの風味づけをしている。
参考URL:コープこうべ
ということは、やはり一般のこんにゃくは、たとえ臭みがなくても、食感など他の点であまり美味しい食べ物ではないのかもしれません。
しらたきは生で食べてもいいの?
見た目といい食感といい、こんにゃくと切っても切れない関係にありそうな「しらたき」ですが、こちらは生で食べても大丈夫なのでしょうか。
しらたきも生食は可です。
そもそもこんにゃくと白滝は材料も製法も同じです。
であれば、こんにゃくだけ生食可で白滝は不可とする理由がないですよね。
「こんにゃく」と「こんにゃく芋」との違い
刺身こんにゃくの他にも、特殊なこんにゃくとして「生芋こんにゃく」というものがあります。
一般のこんにゃくとの違いは、ずばり「原料」です。
生芋こんにゃくはこんにゃく芋をすりおろして使いますが、一般のこんにゃくに比べると、噛んだときの弾力と風味が強く、とても美味しいそうです。
こんにゃくをそのまま食べる利点
こんにゃくには、そのまま食べても驚くほどの健康効果や利点がいくつも存在します。
カロリーが低い、満足感が得られる、加工が不必要といった特性が、この食品に対する人々の関心を高めています。
以下では、その詳細な説明を続けます。
低カロリーで健康に良い
こんにゃくは、その湿度が高く、ほとんどが水分で占められているため、エネルギー成分が非常に低い。
100gあたりほぼゼロカロリーなのです。
ダイエットをする際に有効な食事になると言われているわけです。
さらにその特性は、糖尿病予防にもつながります。血糖値の急激な上昇を防ぐゆえ、食後の糖質の摂取を抑えることができます。特に人工甘味料などと一緒に摂取することで、食事から摂取する糖分の吸収をゆっくりにする効果もあります。
これは、糖尿病の予防に必要不可欠な働きである。
噛み応えがあって満足感がある
また、こんにゃくはその硬さからかなりの噛み応えが得られます。
硬い食物には時間がかかるため、より長い時間食事を楽しむことができます。これによって満腹中枢が刺激され、結果として食事量を少なくする効果が期待できます。
こんにゃくを食べることによって、ダイエット中でも満足感が得られると言われています。
加工不要で手軽に食べられる
こんにゃくはそのまま食べることが可能です。手間をかけずに準備することができ、調理したいときにそのまま食べることが可能です。
さらに、保存もしやすく、いつでも食べたいときに食べることができます。
もちろん、スライスしたり、焼いたりすることでさらに美味しく頂くことも可能です。その手軽さが、忙しい現代人にとっての魅力の一つでしょう。
そのまま食べるときの注意点
こんにゃくをそのまま食べることには便利さがありますが、いくつかの注意点も必要です。
特に味がないため調味が必要であり、また食物繊維が豊富であるため食べすぎに注意が必要です。詳しく説明いたします。
無味無臭なため調味が必要
こんにゃくの最大の特徴の一つは無味無臭であることです。
食べごたえはありますが、その特性上、飛び抜けて美味しいわけではありません。
このため、調理する際には調味が重要です。そのまま食べる場合でも、たとえば醤油やポン酢、ドレッシングなどで風味を付けるのが一般的です。
それにより、こんにゃくがより美味しく食べられるようになります。
食物繊維が多いため食べ過ぎ注意
さらに一方で、こんにゃくは食物繊維が非常に多いため、食べ過ぎに注意が必要です。
食物繊維は便秘解消の手助けをしますが、過剰な摂取は胃腸を過度に刺激し、腹痛や下痢を引き起こすことがあります。これは特に、腸の動きが活発な人や、空腹時に多量に食べた場合に起こりやすい。
そこで、こんにゃくを含む食事はバランスよく、適量を意識することが大切です。
こんにゃくを素材としたレシピ提案
こんにゃくはその低カロリーとユニークな食感から、ダイエット中の人々や健康志向の人々に愛されてきた食材です。
しかし、「こんにゃくはどのように調理すればいいのか分からない」という声もよく耳にします。
そこで今回は、そのまま使えるこんにゃくのレシピをいくつか提案します。手軽に健康的な食事を楽しむための役立つ情報で、料理初心者でも挑戦しやすいものとなっております。
そのまま刺身として
最初にご紹介するのは、「こんにゃくの刺身」です。
まず最初に、こんにゃくはゆでるだけでもその食感を楽しむことが出来ます。
こんにゃくは一度熱を通すと、その歯ごたえが増し、さらに美味しさが増します。刺身にするときはくずれやすいので注意が必要ですが、適度な大きさに切ってからゆでるという方法があります。
また、こんにゃくそのものには特に味がないため、いろいろな味付けが楽しめます。多くの人が醤油を使うことが多いですが、ポン酢やオリーブオイルとの相性も抜群。加熱するとこんにゃく特有の臭みも抑えられます。
そのままサラダとして
次に、こんにゃくを使用したサラダの提案です。
こんにゃくは他の食材と一緒に食べることで、バラエティーに富んだ風味を楽しむことが出来ます。その一つとして、こんにゃくを用いたサラダを試してみてはいかがでしょうか。
こんにゃくを薄切りにしたものを、レタスやチキン、アボカドと一緒に盛り付け、ドレッシングをかけるだけでも美味しいサラダの完成です。
また、こんにゃくをゆでてからサラダに加えることで、その食感をさらに楽しむことが出来ます。こんにゃくは他の食材の風味を吸収するため、あらゆる種類のサラダに合わせやすいのが特徴です。
そのまま炒め物として
また、炒め物としてこんにゃくを使用するのもオススメです。
こんにゃくをそのまま炒めると、外側がパリッとして中はもっちりとした食感を楽しむことが出来ます。
こんにゃくは他の食材と一緒に炒めることで、その食材の風味を吸収し、一層味わい深い料理になります。
また、こんにゃくは炒めてもその形を保つため、見た目にも華やかな一品になります。具体的なレシピとしては、野菜や豚肉と一緒に炒める「こんにゃくの豚肉炒め」や、鶏肉とこんにゃくを一緒に炒めた「鶏肉とこんにゃくの炒め物」などがあります。
そのままスープとして
そして、こんにゃくをそのままスープに使用するのもおすすめ試みていただきたい提案です。
こんにゃくは水分を豊富に含む食材のため、スープにするとそのままで美味しく食べられます。長時間煮込んでも溶けない性質があるため、スープの具材としても適しています。
大根や人参などと一緒に煮込むだけで豊かな味わいのスープが完成します。また、こんにゃくは煮るほどに他の食材の味を吸収する特性があり、スープとして煮込むことによって深い味わいを引き立てます。
こんにゃくそのままの保存方法と期限
こんにゃくは手軽に調理できる上に、さまざまな風味を引き立てる食材として各家庭で幅広く使われています。
しかし、上手に保存することが出来なければ意味がありません。どのように保存すれば良いのでしょうか。
ここでは、常温保存、冷蔵保存、冷凍保存それぞれの方法を詳しくご紹介します。
常温保存の場合
普通のこんにゃくは開封前であれば常温でも保存可能です。
商品に記載されている賞味期限内であれば、おいしく食べることができます。
ただし、常温で保存する際には直射日光を避け、湿度の低い涼しい場所に置くことが重要です。開封後は、パックの汁ごと保存容器に入れ、冷蔵庫で保存することをおすすめします。
途中で食べきれない場合は、そのまま冷蔵保存するとよいでしょう。
冷蔵保存の場合
基本的にこんにゃくは冷蔵することで長持ちします。特に開封後のこんにゃくは必ず冷蔵庫で保存しましょう。
開封後のこんにゃくを冷蔵保存する際には、こんにゃくの入っていた汁ごと保存容器に入れ冷蔵庫へ。保存容器の蓋をしっかりと閉めることで、風味を保ちます。
なお、冷蔵保存の場合、賞味期限が目安となりますが、開封後は早めに食べることをおすすめします。
冷凍保存の場合
また、長期間保存したい場合は冷凍保存がオススメです。
そのまま冷凍することで、品質を崩すことなく3ヵ月程度保存することが出来ます。
また、顆粒状に切った後に冷凍すると、調理する際に便利です。食べる際には、そのまま解凍せずにゆでるか、炒め物や煮物に加えて加熱するとよいでしょう。
また、こんにゃくは冷凍すると食感が少し硬くなるため、そのまま食べる場合は解凍後に十分加熱してから食べると良いでしょう。
こんにゃくのアク抜きの仕方
こんにゃくの加熱調理にはアク抜きの目的があるというお話をしましたが、アク抜きの方法は一つではありません。
実は、こんにゃくをどんな料理に使うかによって、適切なアク抜きの方法が変わります。
具体的に、4つの方法を紹介します。
茹でる
もっともポピュラーな方法。やり方は簡単で、熱湯でさっと茹でるだけ。
たたく
きっちり水切りをしたまな板にこんにゃくを載せ、全体に塩をふります。
上から綿棒などで軽く叩き、水分を出します。そのままでは塩辛いので、料理に使う前に水洗いを忘れずに。
炒める
油を使わないから炒り。お鍋にこんにゃくを入れて中火で軽く火を通します。
焦げないように混ぜて下さい。
電子レンジで加熱する
万能クッキング器具の電子レンジで、こんにゃくのアク抜きまでやってしまうという手もあります。
耐熱容器に水洗いしたこんにゃくを入れて、こんにゃくの量により2~3分ほどレンジで加熱するだけです。
私はいつも「茹でる」で対応していました。
他のアク抜き方法も試してみて、料理の出来栄えに差が出るものかどうかチェックしてみたいと思います。
こんにゃくのおすすめレシピ
電子レンジでのこんにゃくのアク抜きと、その後の調理のプロセスを一体化したお手軽レシピをご紹介します。
手軽な割にとても美味しそうというお得なレシピと思います!
是非試してみて下さい。
<材料>(4人分)
こんにゃく:1枚(普通サイズ)
鶏もも肉:半分
生しいたけ(お好きなきのこで):3枚
唐辛子(小口切り) :少々
酒:大さじ1
味りん:大さじ1
麺つゆ(薄めず):大さじ2
砂糖:大さじ2分の1
白ゴマ・黒コショー:少々
いんげん:2本
唐辛子(小口切り):少々
ほんだし:小1
① 薄切りこんにゃくを耐熱皿に並べ、ラップをかけない状態で3分間加熱する(600W)
② もも肉、しいたけを薄切りにし、インゲンは塩ゆで。フライパンにごま油を入れてもも肉とこんにゃくを炒める
③ しいたけ、唐辛子、酒、味りん、砂糖、ほんだしを加える
④ 水分を飛ばして麺つゆで味つけする。炒り煮を続け、水分を完全に飛ばす
⑤盛り付けて、飾りのインゲン、白ゴマと黒コショーを振って完成。
まとめ
今回は、「こんにゃくは生で食べても大丈夫か」について調べてみました。
まとめると…
①こんにゃくは生で食べても問題ない。
②こんにゃくの製造過程で生じるアク、水酸化カルシウム溶液によるニオイを消した方が美味しく食べられるため、主としてアク抜きの目的で加熱調理をする。
③アク抜きには、煮る他に、叩く・から炒りする・電子レンジを使う等の方法があり、各々のやり方が相応しい料理がある。
他に、こんにゃくそっくりの白滝の生食が大丈夫なのかどうか、刺身こんにゃく・生芋こんにゃくの特徴についても見てみました。
刺身こんにゃく、昔のダイエット中に存在を知っていればなぁと思いました。
過激なこんにゃくダイエットは確かに効果抜群でしたが、食べ方のバリエーションにも限界があって、かなりつらかった覚えがあります。
今同じ方法で減量するなら、刺身こんにゃくももちろんメニューに入れますね。
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